次世代電池として「全固体電池」という言葉をよく耳にするようになりましたが、皆さんはご存知ですか？全固体電池はこれまでの電池と異なるいくつかの特性を持ち、リチウムイオン電池を超える性能を秘めています。

この記事では、全固体電池の仕組みや種類などについてご紹介いたします。

 

全固体電池とは？

全固体電池とは、電気を通す役割を持つ電解質に、固体を採用した電池のことです。これまでは、電解質といえば液体が主流でしたが、固体にする研究・開発が進められていて、すべて固体で構成した電池を「全固体電池」と呼びます。安全性や寿命の長さなどの強みがあり、これまでの電池を超える性能を持つという大きな期待が寄せられていますが、現時点では、まだ量産技術が一部のみしか確立されておらず、すべてが実用化に至っていません。近年、特に電気自動車（EV）の電源として注目を集め、自動車メーカーや電機メーカーの間で研究開発が盛んに行われています。

 

種類について

全固体電池は、形状の違いにより、大きく『バルク型全固体電池』と『薄膜型全固体電池』に分けられていて、それぞれ異なった特徴を持っています。

バルク型

バルク型は、箱型の全固体電池です。一般的なリチウムイオン電池と構造的には似ていますが、異なる点は、固体電解質を使用しているということです。電極に厚みを持たせやすい特徴や蓄えられるエネルギー量が多いので、大容量と高出力という強みがあります。また、丈夫な箱の中に電池を入れるため危険な硫化物系などの電解質を用いる場合でも問題なく製造が可能です。実用化においては、高い導電率を示し、界面形成が容易な固体電解質の開発がカギとなっています。

薄膜型

薄膜型は、基盤に貼り付けられる極めて薄い形状をした膜状の電解質を重ねて製造されおり、設置場所や形状を選ばないという強みがあります。薄い電解質の膜を積み上げる製法により、蓄えられるエネルギー量が制限されやすくなるため、バルク型ほどの出力と容量はありません。ですが、薄小型で自由な形状であること、柔軟性や高耐久、長寿命などの観点で優れているため、小さな電子機器への搭載が進むと推測されます。すでに薄膜型は実用化されていて、サイクル寿命に優れていることが実証されています。

 

まとめ

今回の記事では、全固体電池の説明と形状の種類についてご紹介いたしました。まだまだ研究段階であり、実用化への目途も立っていませんが、全固体電池は次世代の電池としてとても注目を集めています。

次回以降の記事では、メリット・デメリット、電解質の違いによる種類についてご紹介できればと思います！

次回もお楽しみに🌟