エネルギーには光ったり、音を出したり、燃えたりなど他にも様々なエネルギーの形があります。皆さんが普段食べている果物や野菜ですが、電池になるのを知っていましたか?実は身近な食材で電気を起こすことができます。
なぜ果物や野菜が電池の代わりになるのでしょうか。
この記事ではエネルギーの不思議についてご紹介致します。
食べ物で電気が発生する理由とは?
果物に電気が発生するのは、果物に含まれる電解質と金属が反応し、電流を流すためと言われています。2つの異なる金属を、果物に差し込み繋いだとき、その金属の間に電流が発生します.金属は、それぞれ電気の流れやすさが異なり、それと同時に、電気のなりやすさが違います。イオン化傾向の異なった2つの金属を使用した時、その違いにより、発生する電圧も違います。
特に有名な果物の電池が「レモン電池」です。レモンの果汁には色々なイオンが含まれているので電気を良く通します。 このような液を電解液と言い、電池で重要な働きをしています。
レモン電池の作り方
レモン電池は、身近な食品を電池として利用できます。使う食品の種類を変えるだけで実験の幅が広がるため、小中学生の自由研究の題材として人気があります。レモン果汁には色々なイオンが含まれているため、電気を良く通します。レモンから電気を取り出すために亜鉛板と銅板の金属板を差し込んで繋ぐと、亜鉛イオンが溶け出しそれと同時に電子が生じます。その電子が導線に伝わり銅板に向かって移動します。銅板に移動してきた電子を水素イオンが受け取り、電子の流れが逆向きに変わり電気の流れは銅板から亜鉛板となるため、電流が流れます。レモン果汁は水溶液で、内部には「電解質」が溶けていて、イオンを受け取る役割を担い、電気を流します。レモン果汁の中で起きているのは一種の化学変化なので、似たしくみをもつ電池を化学電池と呼ぶことがあります。
さらにレモンの個数を増やして直列に繋げると、より大きな電気を作ることができます。普通の電池も直列回路で繋げると電気量が増えるのと同じ理屈です。過去に、テレビ番組の企画で約1,400個のレモンを使用して100kgの車を動かす実験が成功しているみたいです。個数さえ確保できればさらに大きな動力に使用できる事が証明されています。
実験で使用したレモンは亜鉛が溶け込んでいるので、決して食べてはいけません。実験終了後は必ず廃棄して下さい。
まとめ
レモン以外でも、グレープフルーツやキウイなどの果物や、きゅうりやトマトなどの野菜も電解質の成分を含んでいるため、同じ手順を踏めば電池を作ることができます。さらに、金属板と果肉が触れ合う面積も電池の強さに関係しているため、金属板の大きさを変えたり、個数を増やしたり、より奥に差し込んだりすると、多くの電子が生まれる環境が出来上がるので強い電池になることが実感できると思います。身のまわりのさまざまな材料で実験してみるのも面白そうですね。