プレス機について種類、特徴などを解説

プレス機械とは、薄い板金素材に上から下方向に強い圧力を加えて金属を折り曲げたり、切り取ったりできる機械で、別名「板金機械(ばんきんきかい)」「鍛圧機械(たんあつきかい)」とも呼ばれています。

自動車業界をはじめ「金属加工」を代表する機械として世界中で広く使われており、加工速度が速く、おなじ部品の大量生産 に向いています。

 

プレス機の特徴

現代のプレス機械は単純に物体を圧縮するだけではなく、加工の方法によって種類が分かれています。

金属加工におけるプレス機は金型とセットで用いられることが多く、プレス機械を使った加工には、1回プレスするごとに材料の設置と取り出しを毎回手作業で行う単発型や、1台のプレス機内に複数の金型をセットし、加工材を金型間で自動搬送するトランスファー型、ベルトコンベアのような機械で材料を決まった量送り出し、プレス機ひとつで穴あけ、切断、折り曲げなどを順番にこなす順送型があります。

また、プレス機械は「ストロークの長さ・加工速度・加工圧」の3つを自由に変更できるという特徴があります。

 

プレス機の種類

プレス機械は、駆動部をさまざまな動力でスライドさせることで、圧力をかけます。駆動の動力によって「機械プレス・液圧プレス・サーボプレス・ハイブリット式プレス」の4つの種類に分けられます。

今回は代表的な上記4種類の紹介をしていきます。

 

機械プレス

電動モーターによる回転運動を機械的機構によりスライドの直線運動に変え、金型を介し素材を成形するプレスです。

機械式は、内部の構造からクランク式と呼ばれるものが多く、モーターの回転をフライホイールを経由してクラッチに繋ぐことで、モーターの回転運動を直進運動に変換し、往復動作のスピードが速く、繰り返し動作も可能です。

大量生産や生産性が高いため機械プレスは、プレス機械の全体の約90%を占めます。

 

液圧プレス

プレス動作を行う駆動を油圧や水圧で行うプレス機です。

機械式と比べてストローク長さを自由に調節でき,長いストロークにも対応できるので、プレスの最大能力が発生できます。特に油圧式は多くの生産現場で使用されていて、導入コストも他のプレスに比べて安価ですし、バルブを調整することで、加圧力、動作パターンを制御できます。液体を使用しているので、液漏れのリスク、動作も機械プレスに比べてスピードが遅く、加工時の実際の荷重がわかりにくいというデメリットもあります。

 

サーボプレス

サーボプレスは、サーボモーター(指示を出した通りに回転速度や回転位置を正確に制御できるモーターのこと)を動力源としたプレス機械です。

サーボモーターでスライドを駆動するため加圧力や加圧量を精密に制御することができ、位置(ストローク)、スピード、推力を数値で任意に設定できるので、複雑な動作を実現できます。高精度な加工に対応できることが最大のメリットです。他にも、OK/NG判定機能、トレーサビリティ、省エネ性、低騒音などの数多くのメリットがあります。

 

ハイブリット式プレス

「油圧」と「サーボモーター」を組み合わせたプレス機械です。サーボモーターで油圧ポンプを制御し、「ラム」をスライドさせ、加圧力や加圧量を精密にコントロールしながら、油圧のパワーが発揮できます。

作動油や発熱も少なく、環境性能に優れたプレス機械です。

 

まとめ

生産現場で実際に使われているプレス機械の種類を解説致しました。

プレス機械は、作業者の熟練に頼らない安定した大量生産がメリットですが、精度の高いプレスには、やはり金型加工などエンジニアの高い技術がかかせません。

プレス機械の仕組みを知ることで、最適なプレス機械の選定を行うことができて、生産性や品質の向上に繋がるでしょう。

第一金属工業では深絞りの技術を使った金属加工で、乾電池用の円筒管を製造しております。
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